【確定損益】
深夜0時過ぎ、1階のリビングでガサゴソ物音がする。
何事かと目を覚ますと、娘が連れて行ったはずのニャンコ達が私のベッドに飛び込んできた。
嫌な予感は的中。
リビングに降りると、娘が座ってご飯を食べている。
ニャンコ達が、ご飯を食べてくれず、夜中はニャーニャー啼き続けるので、可哀想になってしまい連れて帰ってきたそうで。
アルバイトから父親宅に帰宅しても、娘の食事は用意されていない。
娘も何日間も、朝も昼も夜もパンしか食べていなかったみたい。
たまたま、うちの晩ご飯は、娘の大好きな、エビフライと豆ご飯だった。
夜中に冷蔵庫を漁っている娘を見たら、つい私も不憫になってしまった。
が
ここは心を鬼にせねばならない。
最低1ヶ月は頑張りなさい。
そのうち慣れるから。
と追い返した。
が、それから数日後。
朝起きたら、娘が娘の部屋に寝ている。
娘の荷物が減るどころか、ビミョーにカムバックしている気がする。
娘の言い分は、こうである。
「母さんは財産がどうとか言うけど、私は自分に自信があるのかな。お金なんか自分で幾らでも稼げるし、どうにでもなると思っちゃう。それより今、ストレス感じる生活を強いられるほうが、よっぽど嫌なことやね。」
いや娘よ、
その自信は勘違いちゃいますかいな。
そういうのを「若気の至り」と言いますねん。
でも、もしかしたら私の目論見は失敗したのかもしれない。
私は間違っているのだろうか?
正直、分からない。
【現物ポジション】
はぁ
静寂の日々は夢か幻か。
あんなに泣いたのに。
思い出は、いつまでも美しいまま。
もう帰ってこなくても私は十分満足したのに。